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昭和ノスタルジーを感じる店特集 食と、昭和と、想い出と。 〜東京〜

最新の情報が集まり、日々新しいモノがつくりだされる街、東京。
しかしながらこの街にも、まるで時が止まったかのように、“昭和”を残す店があります。
時代が変わりゆく中、昔ながらの情緒溢れる建物で、いまなお営んでいる店たち。
そこには、時代とともに少しずつ変化してきたからこそ、残されてきた“昭和の姿”がありました。
ノスタルジーに浸りながら、あの“昭和の時代”を、ちょっと覗いてみませんか?

カブト

「カブト」の詳細 >>


「一通り」
1260円
うなぎを丸ごと1匹味わえるセット。えり2本、ひれ2本、きも1本、れば1本、蒲焼1本の計7本。
(写真は、きもと蒲焼)

店名『カブト』の由来

新宿「思い出横丁」の一角にある店が『カブト』。昭和23年創業、今では珍しいうなぎの串焼き屋だ。

この店のシンボルは、大将の頭上にあるランプ。炭火で一本一本焼く際に撥ねたうなぎの油が氷柱のように垂れ下がった様は、まるで黒い兜のように見える。これが、店名『カブト』の由来だ。

昭和は遠くなりにけり

12席しかないコの字型のカウンターは、14時の開店後すぐに満席になる。

常連客は、まず「一通り」と「焼酎」を注文。大将が一本ずつ目の前で焼いてくれた串焼きを肴にして、焼酎に梅ジュースを少し注いでぐいっと飲む。

あとは好みで追加して、大将やなじみの客との会話を愉しんで、30分足らずでさっと帰る。これが、『カブト』のオヤジたちの粋な飲み方だ。

この店の大将は74歳になる2代目。父親の跡を継いで、40年以上になる。「親父が倒れたから、継ぐしかなかったんだよ」と、大将はぶっきらぼうに話す。

でも、父親世代の大先輩から自分より若い世代まで、たくさんの“オヤジたちの憩いの場”をずっと守り続けてきた。大将はぼそっと一言いう。

「昔は“明治は遠くなりにけり”と言ったものだが、今では“昭和は遠くなりにけり”だな」

大将は、この店で先輩達から明治の時代を語られてきた。だから、時代が変わっても、昔を学ぶことの大切さを知っている。だから、この場所で続けてきた。

でも、今の若者は昭和のことを知らない。核家族化が進む中、昭和を伝える場所もなくなってきているのだ。

若い世代に昭和を伝えたい

「若い人たちも来てほしいね」取材中、大将が何度もつぶやいた言葉だ。

オヤジたちの憩いの場所に、若者が混じっていてもいい。「全く、最近の若者は何も知らないな」なんて、オヤジが酒を飲みながら若者に昔を語る。

そうやって、歴史は次の世代へと受け継がれていくものなのだと、大将は言いたかったのだろう。