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昭和ノスタルジーを感じる店特集 食と、昭和と、想い出と。 〜東京〜

最新の情報が集まり、日々新しいモノがつくりだされる街、東京。
しかしながらこの街にも、まるで時が止まったかのように、“昭和”を残す店があります。
時代が変わりゆく中、昔ながらの情緒溢れる建物で、いまなお営んでいる店たち。
そこには、時代とともに少しずつ変化してきたからこそ、残されてきた“昭和の姿”がありました。
ノスタルジーに浸りながら、あの“昭和の時代”を、ちょっと覗いてみませんか?

新宿らんぶる

「新宿らんぶる」の詳細 >>


「ブレンドコーヒー」
550円
昔ながらの酸味の強いコーヒー。クリームを入れると、まろやかな味に変化する。

昭和の名曲喫茶

新宿の繁華街を歩いていると見過ごしてしまいそうだが、扉を開けて地下へと降りていくと、そこには昭和の時間が流れていた。

『新宿らんぶる』は、かつて昭和の名曲喫茶として賑った場所。当時はこの空間で、客は物音ひとつ立てないでコーヒーを飲み、ただひたすらスピーカーに耳を傾けていた。

時を経た今、レコードを聴くことはできなくとも、あの時代の雰囲気はそのまま残っている。

マニュアル化されていない店だからこそ

現在、この店を務めるのは、30歳の若手オーナー。
祖母の趣味で始まったこの喫茶店を任された当初は、いろんな葛藤があったという。

まず、この店には接客のマニュアルがなかった。「250席もある大規模な喫茶店で、マニュアルもないなんて」と、最初はマニュアル化を推進しようとした。けれども、時間が経つにつれて、その必要性がないことに気付いたという。

「この店に来るお客様は一人ひとり違います。おしゃべり好きの人には声をかけてコーヒーを置いたり、読書好きの人にはそっと置いたり、お客様に合わせて接客することが一番なんですよね」

この店では、カップを下げるときに、「ゆっくりしていって欲しい」という気持ちを込めたり、顔なじみのお客さんの好みを覚えたり、一人ひとりの従業員が、一人ひとりの客と向き合っている。それが、創業当時から変わらない、この店の“マニュアル”なのだろう。

だからこそ、新宿という日々変わりゆく街にありながら、この店だけは、あの時代の時間をここに留めていられるのだ。

残すために、時代の変化に応える

昨年の12月、客と従業員の健康を考え、この店は全席禁煙となった。昔ながらの常連客は、かつて煙草を吸いながらここで議論していたため、愛煙家が多い。「本当に申し訳ない」と断腸の思いでオーナーは決断したという。

「でも、“煙草を忘れて議論しよう”という新たな文化を提案したい」とオーナーは話す。祖母から受け継いだこの店を残していくためには、時代の流れに対応していくことも大切なのだ。

この店なら、例えヘビースモーカーでも、煙草を忘れてゆっくり寛ぎたくなるのではないか。

30歳のオーナーにエールを贈りたい。