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昭和ノスタルジーを感じる店特集 食と、昭和と、想い出と。 〜東京〜

最新の情報が集まり、日々新しいモノがつくりだされる街、東京。
しかしながらこの街にも、まるで時が止まったかのように、“昭和”を残す店があります。
時代が変わりゆく中、昔ながらの情緒溢れる建物で、いまなお営んでいる店たち。
そこには、時代とともに少しずつ変化してきたからこそ、残されてきた“昭和の姿”がありました。
ノスタルジーに浸りながら、あの“昭和の時代”を、ちょっと覗いてみませんか?

くし・あげ・どころ はん亭

「くし・あげ・どころ はん亭」の詳細 >>


「一の膳」
2835円
串揚げ6本、お通し2品、生野菜のセット。まずはこれから注文して、好みで追加ができる。

下町に佇む築85年の建物

下町・根津は、昔ながらの建物と高層マンションが混在する町。その中に、今ではほとんど見ることのない木造3階建ての建物がある。

ここが、串揚げ屋『くし・あげ・どころ はん亭』。築85年のこの建物は、登録有形文化財に指定されている。

出会ってしまった以上、残すことが義務だから

この店を現在営むのは、2代目の大将。

かつて、この建物は店ではなかったそう。広告代理店に勤めていた父親がこの建物に一目惚れし、家族で移り住んだ。そして、脱サラした父親が住居を串揚げ屋にしたのが、『はん亭』のはじまりだったという。

2代目は言う。「最初は先代・父親の跡を継ぐ気なんてさらさらなかった。事実、“地域のお巡りさん”を目指して警察官になっていたし」と。しかし3年後、父親が突然病に倒れ、初めて父親の弱い姿を見たときに、継ぐことを決心したという。

「もちろん、この建物には小さい頃からの思い出があります。でも何よりも、関東大震災でも戦争でも焼けずに残ったこの建物に出会ってしまった以上、ここを残していきたいと思ったのです」

根津の町並みから古い家屋がどんどん消えていく中、“当時の姿のまま”を残していくことが、社会的義務なのだと思ったのだ、と。「建物には寿命があるけれども、全うさせたい」そんな2代目の熱い思いが、この古い古い建物を支えているのだろう。

継ぐのではなく、これこそが天職

2代目は言う。

「店に入ったばかりの頃は、親父の店を継ぐという感覚だった。でも最近思うのは、かつて住んでいた家を守り続けることが、自分の仕事だったんだ」と。

残されたものを自分自身が守っていくこと。これこそが、2代目の使命であり、天職なのだ。